年金デモから考える日本の年金制度問題【決定版】

最近、年金デモがあったらしい。
自分は特に参加とかしなかったけど、これから日本の年金はどうなっていくんだろうか?これだけ払ってるのにちゃんと払い戻しされなかったら嫌だなあ
日本の年金制度は、積立方式ではなく賦課方式を採用しているため、世代間格差があることが一番の問題なんだよ。老後2,000万円不足するとかも言われているけど、いったい今年金に何が起きているのか見ていこう!
この記事を読んでわかること

✅なぜ年金デモが起きたかわかる

✅老後2,000万円不足の理由がわかる

✅日本の年金問題がわかる

 

1.デモの発端

 

公的年金だけでは老後のお金は平均で2,000万円不足する

 

老後の金融資産として約2,000万円が必要とする試算を盛り込んだ金融庁金融審議会の報告書が連日報道され、波紋を呼んでいます。

 

この金融庁金融審議会の報告書を受け、デモは発足しました。

 

政府は年金を「100年安心」と謳っていたのにもかかわらず、いきなり「老後30年間生きると約2,000万円不足する」ということを言い始めたら、それはどうなんだおかしいだろ、ということになるのは当然です。

 

間違いない!それはおかしい!
落ち着こう。しっかり見ると、そんなに変な話ではないんだよ

 

正確に言うと、今回の報告書では、「65歳以上の夫と60歳以上の妻の無職の夫婦の場合、毎月の収入は約21万円で支出は26万円であるため、毎月約5万円の赤字となり、老後30年生きると約2000万円不足する」という内容です。

 

2019年6月16日、東京・日比谷で、この問題に関する政府の対応に抗議するデモが行われました。主催者によると、約2000人の参加者が集まり、10~30代の若い世代も多かったということです。

 

2.老後2,000万円不足の真相

 

一旦落ち着いて考えたいのは、2,000万円不足の内訳です。

 

まず「65歳夫(無職)と60歳妻(無職)の、何の金融資産(預貯金や有価証券)も持たない夫婦が、老後30年間生きる」という前提から話はスタートしています。

 

もちろんこういうモデルケースと酷似している夫婦も存在するのでしょうが、基本的に何の金融資産も持たない老夫婦というのはほぼ存在しないのではないでしょうか。

 

総務省のデータによると、世帯主が65歳~69歳の平均金融資産額は

  • 単身世帯(男性):1,552万円
  • 単身世帯(女性):1,506万円
  • 2人以上世帯:2,252万円

出典:総務省「平成26年度全国消費実態調査」より金融庁作成

 

となっています。要するに、平均的な老夫婦であれば、2,000万円が足りないという事態は起きず、老後は今まで積み上げてきた金融資産と年金だけで生活していけます。

 

60、65歳にもなって、貯金とか家とか一切なければそりゃ苦しい生活になるのは仕方ないね
そういうこと!平均的な60代夫婦は2000万円分くらいの蓄えがあるから、そもそも問題ないってわけ!


また、「老後30年間生きる」という点においても注意が必要です。今後日本人の寿命がどうなっていくかはわかりません。人によっても寿命はかなり異なるでしょう。あくまで30年間年金だけで生活したとすると2,000万円足りなくなるという試算なのです。

 

また、「毎月の支出が26万円」という点においても考える必要があります。この計算は、例えば食費は毎月6,4000円で、通信費は毎月2,7000円として計算されています。どういった理由があるのかは定かではありませんが、しっかりと節制をすればこの支出はもっと抑えることが可能でしょう。もちろん、贅沢をしようと思ったらとても足りない金額ではあると思いますが。

 

「老後2,000万円足りなくなるぞ!」と煽られると不安になってしまいそうなものですが、しっかりと準備をしておけば特に問題無いのは確かでしょう。

 

年金はそもそも老後にも必要最低限の生活ができるという保障をしているもので、年金だけで遊んで暮らせるなどというようなものではありません。この報告書は至極まっとうなものであると言えます。

 

そりゃそうだ。年金で贅沢な暮らしができたら日本がパンクしちゃうよ
うん。贅沢がしたかったら、若いうちに準備しとかないとね


「年金返せ!」というデモは、「誰に何を返してもらうのか」というところが全く不明というわけです。

 

3.矛盾するデモ内容

 

日本の公的年金は賦課方式である」ということはご存じでしょうか?

 

賦課方式とは、「現役世代が納めた保険料がそのときの年金受給者への支払いにあてられる」という方式のことです。

 

え!日本の年金はそんな仕組みだったのか!
そう、簡単に言えば若い人がお年寄りにお金をあげている感じだね

つまり、賦課方式は世代人口比にモロに影響を受けてしまいます。そして今日本で起きている超高齢化現象はモロに年金に影響してしまっているのです。

 

そこで起きるのは世代間格差です。世代によって、年金に対する要求はまるで異なってきます

 

現代の日本では、若い世代であればあるほど負担は大きくなっています。年金を払う人口に対して、年金を貰う人口の割合が大きくなるからです。以下は世代毎の生涯純受給率(年金+医療+介護)です。

 

年金って、こんなに世代間格差を受けるのか、、、
うん、、、若い人ほど多く支払うハメになるよ!


ここでは、ある程度対象を絞って、それぞれどういう意見が合理的なのかを確認していきます。

 

  1. 20代独身のサラリーマン:「厚生年金から脱退させろ!」「会社負担分を含む年金手数料を返せ!」「3号被保険者制度を廃止しろ!」→一番の問題は厚生年金がリターンに比べてあまりに高いこと。
  2. 40代の医者や弁護士:「国民年金の受給額が少なすぎるから掛け金の上限を引き上げろ!」→国民年金はコストパフォーマンスが良い。もっと払うことでより大きなリターンが見込める。
  3. 30代既婚のサラリーマン:「私たちの年金を壊さないでくれ!」→厚生年金は、第3号被保険者制度を利用できるため、扶養家族が増えればそれだけメリットがある。
  4. 団塊の世代:「年金制度に指一本触れるな!」→ほぼ全員が有利な条件で年金を受給できるようになったため、この制度を変えると損するのがこの世代。

 

ん?国民年金?厚生年金?3号保険者制度?いきなり話が飛んだな
年金の細かい部分についてはまた後日記事を書くね!とりあえず、各年代や職種によって、年金に対する主張は違うってことが伝わればOKだよ


という形になります。誰かが得をする分誰かが損するのが今の年金の仕組みなので、今回のデモのように様々な世代が集まって「年金返せ!」というのは矛盾しているのです。

 

4.今後の予測

 

このような事態に陥ってしまった原因は、「寿命延長」による「超高齢化社会」です。

 

これからもどんどん高齢化社会は進み、寿命も延びるでしょうから、年金制度は変わらざるを得なくなるでしょう。現役世代の負担額を減らし、高齢者の受給額も減ることになるでしょう。

 

寿命が延びて、「何年間年金が必要になるかわからない」ということが、実は最も大きな問題なんだ

 

そこで、どのように将来年金が「変化」していくのか予想してみます。前提として政府は、

 

  • 現役世代から多く保険料を徴収したい
  • 年金受給者に渡す年金額を減らしたい
  • 国民年金を減らしたい(国民年金はコストに比べリターンの大きい年金)
  • 厚生年金を増やしたい(厚生年金はコストに比べリターンの小さい年金)

 

という思惑があります。とすると具体的には

 

  • 年金受給開始の年の引き上げ
  • 年金受給額の減額
  • マクロ経済スライド
  • 小規模企業の短期労働者の厚生年金加入
  • 第1号被保険者女性の産前産後期において国民年金保険料が免除。
  • 労働ビザの取得ハードルを下げ、外国人労働者を誘致して厚生年金へ加入させる

 

などが将来的に起こることとして考えられるでしょう。

 

確実に年金制度は変わっていくと言えるよ!

 

5.まとめ

 

いかがだったでしょうか。これまで、

 

  1. 「老後2,000万円不足」という報告書から、デモが勃発
  2.  2,000万円不足すると言っても、「65歳と60歳の金融資産を持たない夫婦が、収入が21万円で支出が26万円の生活を今後30年間続ける」というケースによるものなので、政府は悪くないしそこまで心配する必要はない
  3. 賦課方式による世代間格差から、世代によって人々の主張は異なるため、今回のデモは矛盾している
  4. 今後、確実に年金制度は変化する。

 

といったことをお話してきました。

 

これから日本の年金制度がどうなるのか注目してきましょう!

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